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遺言書作成

なぜ遺言書を書くのか

 「遺言書を書く」、というと、たいそうな事だとお考えの方も多いのではないでしょうか。

 しかし、遺産相続をめぐるトラブルは、適切な遺言書があれば防げるものがほとんどです。遺言書がないために相続人の間で話がまとまらず、不動産の名義変更などが進まないケースがよくあります。相続が発生するまでは円満だった家族、親族関係が、相続をきっかけに冷え込むケースも少なくありません。このような場合に相続人が受ける精神的ストレスは、大変大きなものです。

 長年相続人のためを思って築いてきた財産が、相続人を結果的に不幸にする可能性があることは、大変悲しいことです。

 遺言により、遺産の分配・管理について明確な方向性を示すことは、これまでの人生を振り返る機会であるとともに、残された家族に対する一つの責務であるといえるかもしれません。

遺言書の種類

 遺言は遺言書という一定の書式をそなえることによって、はじめて有効になります。

 自分で書く遺言が自筆証書遺言、公証役場で作る遺言が公正証書遺言です。それぞれに長所と短所がありますので、以下で検討してみましょう。

遺言の種類 長 所 短 所
自筆証書遺言
  1. 誰にも知られずに書ける
  2. いつでも思い立ったときに書ける
  3. 書き直しが容易である
  4. 作成のためのコストがかからない
  1. 家庭裁判所での検認手続が必要となる
  2. 要件の不備によって、無効になるおそれがある
  3. 内容が明確でない場合、真意を巡って解釈が争われるおそれがある
  4. 発見されない可能性がある
  5. 内容が不利な相続人による偽造・変造・隠匿のおそれがある
  6. 全文自筆で作成する必要があるため、判断能力はあるけれど、高齢で字が書けない場合などには利用できない
公正証書遺言
  1. 家庭裁判所での検認手続が不要である(速やかに遺言内容を実現できる)
  2. 要件の不備による無効のおそれがほとんどない
  3. 公証人が面談の上内容を確認しているため、内容や解釈をめぐる争いが起こりにくい
  4. 公証役場に原本が保管されるため、保管場所の問題や偽造・変造・隠匿のおそれがない
  5. 高齢で字が書けない場合でも作成できる(遺言ができる程度の意思能力は必要です)
  1. 作成にコストがかかる
    (作成手数料は、財産の多寡により異なります)
  2. 公証人、証人2名に遺言内容が知られる
    (もちろん守秘義務はあります)
  3. 書き直す場合、再度の手続きが必要となる

特に遺言をしたほうがよい場合

 遺言は義務ではありませんが、以下のようなケースでは、遺言を残す必要性が高いといえるでしょう。

①夫婦間に子供がいない場合

 夫婦間に子供がいない場合、兄弟姉妹が相続人となるケースが多くあります。こういったケースでは、遺言がない場合、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1の相続分となります。

 通常、配偶者に全財産を相続させたいと考える方が多いですので、遺言を残すことにより、配偶者が単独の相続人となることが可能です。また、兄弟姉妹には遺留分がありませんので、後から覆される恐れもありません。

 なお、このようなケースでは、どちらかが先に亡くなった場合に備えて、配偶者がそれぞれ相手方に遺言を書くことも可能です。

②再婚をし,先妻の子と後妻がいる場合

 先妻の子と後妻との間では、一般的に遺産争いが起こる確率も高いため、遺言で財産の承継・分け方について明確に定めておく必要性が高いでしょう。

③長男の配偶者に財産を分けてあげたいとき

 長男の配偶者が、長男の死後に、長男の両親の世話をしているような場合、その方に財産を残すには遺言を残す必要があります。遺言がない場合、長男の配偶者は長男の両親の相続人ではないため、財産をもらうことができません。

④内縁の妻がいる場合

 実質的に夫婦同様の生活実態があったとしても、戸籍上の婚姻届がない場合には、相続人ではありません。したがって、その方に財産を残すためには遺言を書く必要があります。

⑤事業を経営したり,農業をしている場合

 このような場合、その事業等に使われている不動産や設備、あるいは経営上の基礎となっている株式を、複数の相続人に分散させると、事業等の継続が困難となる可能性があります。そういった事態を避けるためには、遺言で財産の承継について決めておく必要があります。その際、遺留分にも配慮することを忘れないようにしましょう。

⑥特定の財産を特定の相続人に残したい場合

 相続人の経済状況・生活状況などにより、特定の相続人に居住用不動産を残したり、特定の相続人に生活の資金を残したい場合、遺言で「A不動産は○○に、預貯金は○○に相続させる」といった指定をすることが可能です。

 遺言書がない場合、相続人間の遺産分割協議に委ねられることになりますので、そのような意向がある場合は、遺言で定めておく必要があります。

⑦相続人が全くいない場合

 相続人がいない場合には、特別な事情がない限り、遺産は国庫に帰属します。したがって、このような場合に、これまでお世話になった人に遺贈したり、団体などに寄付するには、その旨の遺言をしておく必要があります。

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