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相続のよくあるご質問
遺産分割調停の裁判所が遠方の場合

遺産分割調停が行われる裁判所が遠方の場合、どうすればよいですか。

回答 

遺産分割調停は、当事者が出頭することが原則です。

しかし、遠方の相続人や代理人の負担を減らすため、家庭裁判所が認める場合は、電話会議システム等による出頭が認められています。

解説

1.遺産分割調停が行われる裁判所

遺産分割調停は、相手方となる相続人の一人の住所地を管轄する家庭裁判所、又は当事者全員が合意で定める家庭裁判所に対して申し立てる必要があります。

例えば、相続人が大阪、名古屋、東京に住んでいる場合で、名古屋に住んでいる相続人が遺産分割調停を申し立てるには、大阪か東京の家庭裁判所又は全員が合意した家庭裁判所に対して申し立てることになります。

2.裁判所が遠方の場合、電話会議システム等を利用できる

遺産分割調停は、当事者が出頭することが原則です(弁護士をつけている場合は、弁護士のみが出頭する場合もあります)。しかし、遺産分割調停は、期日を重ねることが多く、遠方の裁判所に出頭する相続人の負担が大きくなってしまいます。

そこで、当事者が遠方に居住している等相当な理由がある場合は、裁判所の判断により、電話会議等(ウェブ会議が利用されることもあります。)によって出頭することが認められています(家事事件手続法54条、同258条1項)。電話会議システムとは、スピーカー機能(同時に何人でも話したり聞いたりできる機能)を有する固定電話を使って電話でやり取りする方法です。

もっとも、電話会議等による出頭が認められるかについては、裁判所の判断に委ねられています。また、電話会議等による出頭が認められる場合であっても、代理人を選任していない場合には最寄りの家庭裁判所に出頭し、その家庭裁判所にある電話会議システム等を利用することになります。

参考条文

家事事件手続法

(音声の送受信による通話の方法による手続)

第五十四条 家庭裁判所は、当事者が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、家事審判の手続の期日における手続(証拠調べを除く。)を行うことができる。

2 家事審判の手続の期日に出頭しないで前項の手続に関与した者は、その期日に出頭したものとみなす。

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