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相続の弁護士コラム
相続人の調べ方、戸籍の調べ方

相続人の調べ方、戸籍の調べ方

相続が開始した場合、被相続人(亡くなった人)の相続人は誰なのか、を確定させる必要があります。遺産分割や遺留分請求、相続登記などの相続手続全ての前提となるのが、この相続人の確定作業です。

そして誰が相続人となるのかを調べるためには、まず戸籍を調査する必要があります。以下では、名古屋の中部法律事務所の弁護士が、相続人を調べるための戸籍調査の方法などについて解説します。

1.戸籍とは

戸籍は、日本国籍を持つ人の出生から死亡に至るまでの親族関係(親子、夫婦、兄弟姉妹等)を登録し、公証するものです。戸籍は、市区町村単位で処理されているため、本籍地の市区町村に対して請求する必要があります。

2-1.戸籍の種類

戸籍には、大きく分けて3つの種類があります。①(現在)戸籍(こせき)、②改製原戸籍(かいせいげんこせき)、③除籍(じょせき)、です。以下それぞれの内容について説明します。

なお、戸籍には、全部事項証明書(戸籍謄本(こせきとうほん))と、一部事項証明書(戸籍抄本(こせきしょうほん))があります。

全部事項証明書は、戸籍の記載内容をすべて証明したもの、一部事項証明書は、記載内容の一部を証明するものです。例えば、戸籍に家族4名が記載されている場合に、家族全員分を証明するのが全部事項証明書(戸籍謄本)、家族のうち一部の人だけを証明するのが一部事項証明書(戸籍抄本)となります。

2-1-1.(現在)戸籍(こせき)

(現在)戸籍とは、現に効力のある戸籍(最新の親族関係が記載された戸籍)のことをいいます。相続手続においては、相続人が現在も生きていること(相続人であること)を証明するものです。したがって、銀行などの相続手続においては、3か月以内に発行された戸籍、など有効期間が定められている場合があります。

2-1-2. 改製原戸籍(かいせいげんこせき、かいせいはらこせき)

改製原戸籍とは、戸籍の作り変えがあった場合の、前の戸籍のことをいいます。戸籍制度が始まってから現在までの間に、戸籍の記載事項や様式は何度か変更されています。その都度古い戸籍を作り変えてきたのですが、作り変えた後の前の戸籍のことを、改製原戸籍といいます。

2-1-3. 除籍(じょせき)

除籍とは、戸籍に記載された人が全員いなくなった状態の戸籍のことをいいます。戸籍からいなくなるケースとしては、死亡、結婚、離婚、管轄外への転籍などが考えられます。それらの事由によって戸籍に記載された人が誰もいなくなった場合、その戸籍は除籍となります。

3.相続手続に必要な戸籍の範囲

実際に戸籍を取得する場合、被相続人の本籍地を管轄する市区町村役場にて、被相続人の死亡が記載された戸籍を取得の上、被相続人が生まれたときまでの戸籍・改製原戸籍、除籍を取得することになります。

被相続人の本籍地が分からない場合は、被相続人の住民票の除票を本籍地記載で請求し、その記載を基に戸籍を請求します。また、相続人については(現在)戸籍も必要です。

ただし、相続人の順位によって、必要な戸籍の範囲がことなる点には注意が必要です。なお、相続手続の種類によっては、以下の書類の一部で足りる場合もあります。

3-1.相続人が被相続人の子など(第1順位相続)の場合

①被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本及び住民票の除票

②相続人の戸籍謄本

③被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している人がいる場合、その子(及びその代襲者)の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

 

3-2. 相続人が被相続人の親など(第2順位相続)の場合

①被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本及び住民票の除票

②相続人の戸籍謄本

③被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している人がいる場合、その子(及びその代襲者)の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

④被相続人の祖母が相続人となる場合など、直系尊属の下の代の相続人(父母など)が死亡している場合は、その直系尊属(父母など)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

3-3. 相続人が被相続人の兄弟姉妹など(第3順位相続)の場合

①被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本及び住民票の除票

②相続人の戸籍謄本

③被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している人がいる場合、その子(及びその代襲者)の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

④被相続人の直系尊属(父母、祖父母等)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

⑤相続人が兄弟姉妹の代襲相続人(甥、姪)の場合、被代襲者(本来の相続人である兄弟姉妹)の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

4.戸籍の取り寄せ方

以上までは必要な戸籍の範囲についての説明でしたが、必要な範囲が分かれば、具体的に戸籍を取り寄せることになります。以下では、実際の請求手続について解説します。

4-1.戸籍の請求先

戸籍は、本籍地を管轄する市区町村役場に請求します。本籍地は住所地とは異なるため、住所が転々としていたとしても、本籍地を変えていなければ、その本籍地で全ての戸籍を取得することが可能です。

例えば、被相続人の最後の本籍地が名古屋市で、もともとの実家の本籍地が大阪だった場合は、名古屋市と大阪市の両方で戸籍を取得することになります。

4-2.戸籍の請求にかかる費用

戸籍の取得にかかる行政手数料は、概ね以下のとおりです。戸籍、改製原戸籍、除籍の手数料は全国共通ですが、住民票や戸籍の附票は市区町村によって手数料が異なる場合があります。

 

証明書の種類

手数料

戸籍全部(個人)事項証明書
/戸籍謄(抄)本

1通450円

除籍全部(個人)事項証明書
/除籍謄(抄)本

1通750円

改製原戸籍謄(抄)本

1通750円

戸籍の附票の写し

1通200円~400円程度

4-3.戸籍の手数料の支払い方法

戸籍の手数料は、市区町村役場の窓口で取得する場合は、現金で支払います。本籍地が遠方の場合には、郵送で請求することも多いと思われます。郵送の場合は、ゆうちょ銀行で発行される「定額小為替(ていがくこがわせ)」によって支払うことになります。

定額小為替は、ゆうちょ銀行の貯金窓口において発行を受けることができます。小為替の金額に関わらず、1通あたり100円の手数料がかかります。例えば750円の小為替でも、200円の小為替でも、それぞれ100円の手数料がかかります。

4-4.戸籍の請求ができる人

戸籍には、その人の親族関係や身分関係が分かる情報が記載されています。そのため、戸籍を請求できる人は以下のとおり制限されています。

①戸籍に記載されている本人、又はその配偶者(夫又は妻)、その直系尊属(父母、祖父母等)若しくは直系卑属(子、孫等)

②自己の権利の行使又は義務の履行のために必要な方

(例えば、兄弟姉妹が相続人となる場合に、亡くなった兄弟の死亡の戸籍を取得する場合など)

③ 国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある方

④ その他戸籍に記載された事項を利用する正当な理由がある方

4-5.戸籍の請求に必要な書類等

戸籍の請求に必要な資料等は、誰が誰の戸籍を請求するかによって異なります。本人又はその配偶者等身分関係の近い人の方が請求しやすくなっています。窓口に行く際には、念のため認印も持参するとよいでしょう。なお、いずれの場合も代理人からの請求の場合は、委任状が必要です。

①戸籍に記載されている本人、又はその配偶者(夫又は妻)、その直系尊属(父母、祖父母等)若しくは直系卑属(子、孫等)が請求する場合

→窓口に来られる方の「本人確認」ができるもの(運転免許証,パスポート,顔写真付きの住民基本台帳カード等)

②上記①以外の方が請求する場合

→窓口に来られる方の本人確認ができるもの(運転免許証,パスポート,顔写真付きの住民基本台帳カード等)

 

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