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相続のよくあるご質問
成年後見人の申立て手続き

成年後見の申立てに関する手続き等について教えてください

回答 

成年後見の申立ては、①診断書等の取得→②申立て準備(必要資料の取得)→③管轄裁判所に面接予約→④申立て書類の提出、という流れで行います。

申立てに必要な診断書等は、成年後見専用のもので作成する必要があるため、事前に管轄の家庭裁判所で申立書式のセットを取得しておくとよいでしょう。

解説

1.申立てができる人

成年後見の申立ては、法律で一定の者に限定されています(民法7条参照)。なぜなら、成年後見の審判は、本人の財産管理権等について重大な制約を加えるものであるためです。通常は、配偶者や四親等内の親族が申し立てることが多いですが、本人や市区町村長が申し立てることもできます。

2.申立てをする裁判所(管轄)

成年後見の申立ては、本人(後見人による財産管理等を必要とする方)の住民票上の住所を管轄する家庭裁判所に対して行います。

愛知県内の方であれば、以下の裁判所が管轄裁判所となります。

管轄裁判所

本人の住所地

名古屋家庭裁判所

名古屋市、豊明市、日進市、清須市、北名古屋市、西春日井郡(豊山町)、愛知郡(東郷町)、春日井市、小牧市、瀬戸市、尾張旭市、長久手市、津島市、愛西市、弥富市、あま市、海部郡(大治町 蟹江町 飛島村)

名古屋家庭裁判所一宮支部

一宮市、稲沢市、犬山市、江南市、岩倉市、丹羽郡(大口町 扶桑町)

名古屋家庭裁判所半田支部

半田市、常滑市、東海市、大府市、知多市、知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町)

名古屋家庭裁判所岡崎支部

岡崎市、額田郡(幸田町)、安城市、碧南市、刈谷市、西尾市、知立市、高浜市、豊田市、みよし市

名古屋家庭裁判所豊橋支部

豊橋市、豊川市、蒲郡市、田原市、新城市、北設楽郡(設楽町 東栄町 豊根村)

3.成年後見申立ての手続き等

成年後見の申立~終了までは、概ね以下の流れです。

①本人情報シート、診断書の取得、②申立て準備(通帳などの財産資料や戸籍等の必要資料の取得)、③管轄裁判所に面接予約(不要な場合もあります。)、④申立て書類の提出、⑤家庭裁判所における審査、必要に応じて本人の鑑定、⑥後見開始の審判・後見人の選任、⑦(審判確定後)後見人の職務開始、⑧(後見人が)定期的に家庭裁判所に報告、⑨後見の終了(本人の死亡等により)

このうち、①から④までの段階が、申立人が行う必要のあるものです。①の本人情報シート、診断書は、家庭裁判所の書式であるため、家庭裁判所の窓口で書式を受領するか、家庭裁判所のHPからダウンロードの上、福祉関係者やかかりつけ医に作成を依頼します。

家庭裁判所の窓口では、成年後見の申立てセット(書式)を交付してもらえるため、事前に受領しておけばスムーズです。

4.申立てをする場合の注意点

成年後見の申立てをする場合、以下の点に注意する必要があります。

①取下げに許可を要する

一旦家庭裁判所に成年後見の申立てを行うと、その取下げには家庭裁判所の許可が必要となります。本人の利益を保護するためです。

②親族に通知がいくことがある

成年後見の申立ての際、親族の意見書を求められることがあります。これは、本人の親族の意向を、審判の類型や誰を後見人に選任するかの参考にするためです。例えば、申立人が後見人の候補者とした方について、親族が強硬に反対しているような場合、将来の紛争予防の観点から、親族ではなく専門職後見人を選任することが適切と判断されることもあります。

③鑑定費用が別途かかることがある

前述のとおり、成年後見制度は、本人の財産管理権等を制限します。そのため、本人の判断能力の程度は慎重に確認を行い、必要最小限の制限にする必要があります。よって、いわゆる植物状態である等明らかな場合を除いて、鑑定が行われる可能性があります。その場合、5万円から10万円程度の鑑定費用が別途かかります。

④後見人に、親族ではなく弁護士や司法書士など専門職が選任されることがある

成年後見の申立ての際、後見人の候補者をたてることが認められています。

しかし、誰を後見人に選任するかは、裁判所が決定することであり、候補者をたてても認められないことがあります。専門職が後見人に選任された場合、通常は専門職の報酬が必要となり、本人の財産から支払われることになります。

⑤本人が死亡するか後見開始の審判が取り消されるまでは後見人が就く

成年後見の申立てを行うとき、通常は何か申立てを行う動機があるものです。例えば、本人の預貯金をおろそうとしたら銀行から断られた、遺産分割協議を行いたい、本人名義の不動産を売却したい、等です。

申立人としては、上記のような問題を解決する目的で成年後見の申立てを行った場合でも、一旦後見人が選任されれば、原則として、本人が死亡するか、本人の事理弁識能力が回復し後見開始の審判が取り消されるまでは後見人が就きます。後見人が専門職の場合、その報酬も本人が死亡するまで発生することになるため、その点を十分理解して申立てを行う必要があります。

参考条文

民法

(後見開始の審判)

第七条 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。

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