成年後見の登記事項証明書は、本人や成年後見人等の氏名や住所等のほか、成年後見人等の権限の内容などを公的に証明する書面です。
1.成年後見の登記事項証明書とは
成年後見人の登記事項証明書は、成年後見の類型(後見、保佐、補助、任意後見)、本人及び成年後見人等の氏名や住所、成年後見人等の権限の内容等について証明する書面です。
登記事項証明書は、成年後見人等が本人の財産の管理や身上監護に伴う事務を行う際に、相手方に提示することによってその権限を確認してもらう場合に利用されています。具体的には、売買契約や施設の入所契約、銀行や証券会社の手続き等があります。
登記事項証明書には、登記されている事項の証明のほか、成年後見等の登記がされていないことの証明書もありますが、ここでは登記されていることの証明書について説明します。
2.登記事項証明書の記載内容
登記事項証明書には、以下の事項が記載されています。
なお、複数の後見人が選任された場合は、その権限の分掌内容(誰がどのような権限を有するか)も記載されます。監督人が選任されている場合は監督人の氏名や住所等も記載されます。
- 後見、保佐、補助、任意後見等の後見類型
- 後見開始の審判の内容
- 成年被後見人等の氏名、生年月日、住所、本籍
- 成年後見人等の氏名、住所、選任の審判確定日、登記年月日
- 代理権等が付与されている場合はその内容
(登記事項証明書の記載例:東京法務局HPより引用)
3.誰が登記事項証明書を請求できるか
成年被後見人として登記されているかどうかは、プライバシーにかかわることなので、登記事項証明書を請求できるのは、以下の方に限定されています。
①成年被後見人、成年後見人、成年後見監督人など登記されている方
②成年被後見人、被保佐人、被補助人、任意後見契約本人(委任者)の四親等内の親族の方
③上記記載の方から委任を受けた方
※親族の方、代理人が請求する場合は、その関係を証明する戸籍謄本や委任状等が必要です。
4.申請方法、申請にかかる費用
成年後見の登記事項証明書は、窓口で取得する場合は全国の法務局の本局で取得します。
本局とは、各都道府県の法務局の本部のような意味合いです。愛知県の場合は名古屋法務局、岐阜県の場合は岐阜地方法務局、三重県の場合は津地方法務局が本局です。
一方、郵送で請求する場合は、東京法務局が唯一の請求先となります。手数料は、1通あたり550円で、支払いは収入印紙で行います。収入印紙は各法務局の窓口で販売しているので、予め買っておかなくても大丈夫です。
なお、電子証明書を取得している方は、オンラインで請求することにより、法務局まで行く必要がなくなります。手数料もオンライン請求の場合は380円(紙の証明書の場合)と安くなっています。
5.記載内容の変更方法
本人や成年後見人等の住所や氏名が変わった場合は、その変更の登記を申請する必要があります。変更の登記は、全て東京法務局に申請します。登記の手数料は無料です。
6.本人の死亡等による終了登記
本人が死亡した場合は、成年後見の終了の登記を申請する必要があります。終了の登記も全て東京法務局に申請します。登記の手数料は無料です。