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相続のよくあるご質問
相続人代表者指定届が市役所から届きました。この書類は提出が必要ですか。

相続人代表者指定届が市役所から届きました。この書類は提出が必要ですか。

回答

相続人代表者指定届とは、固定資産を所有している方が死亡し、相続人が複数いる場合に、納税等の管理を行う相続人を、法定相続人の中から届け出るものです。

代表となる相続人について合意ができている場合や、遺産分割協議によって不動産を取得する相続人が決まっている場合は、相続登記がなされるまでの間、当該相続人を相続人代表者として届け出ることが望ましいと考えられます。

また、届出を行わなかったとしても、一定期間経過後に役所の側で相続人の中から代表者を指定し、固定資産税の納付書を送付してくることになります。

なお、相続開始した年の12月末までに不動産の相続登記を行った場合は、翌年以降の固定資産税の納付書は登記によって名義を取得した相続人宛に送付されることになりますので、その場合は相続人代表者指定届の提出は不要です。

解説

1.相続人代表者指定届とは

相続人代表者指定届とは、固定資産を所有している方が死亡し、相続人が複数いる場合に、納税等の管理を行う相続人を、法定相続人の中から届け出るものです。

固定資産税は、固定資産税の賦課日である1月1日現在において相続登記がなされていない場合、法定相続人全員が連帯して、その納税義務を負うことになります。

固定資産税の納税通知書は、各相続人に対して法定相続割合に応じて送付されるのではなく、当該年度分全額を、法定相続人の1人に対して送付されます。法定相続人が1人ならその方に送付されますが、法定相続人が複数いる場合は、誰に送るかという問題が生じます。

例えば、不動産を所有しているAさんが死亡し、Aさんの法定相続人が子A、子Bの場合、固定資産税の納付書をどちらに送るかを決めなくてはなりません。このような場合に、役所から相続人代表者指定届が法定相続人に対して送付されます。

遺産分割協議によって不動産を取得する方が決まっている場合や、相続人間の関係が良好な場合はよいとしても、遺産分割で揉めているような場合は、自分が代表者として納税通知書を受け取ることに不安を覚える方も多いと思います。

しかし、相続人代表者指定届は、あくまで固定資産税の納税通知書の送付先を届け出るだけのものであり、届出によって相続人代表者のみが納税義務を負ったり、遺産分割に影響を及ぼすようなものではありません。

また、他の相続人の分も含めて相続人代表者が固定資産税を支払った場合、他の相続人の負担分については、立て替えた分の支払を請求することができます。

なお、相続放棄をした相続人は、固定資産税の支払義務を有しないため、代表者として届け出る必要はありません。

2.相続人代表者指定届の書き方

相続人代表者指定届は、各市町村によって書式が異なります。基本的には、被相続人の氏名や住所、相続人代表者の住所・氏名・連絡先・認印、その他の法定相続人の住所・氏名等が記入事項となります。

3.相続人代表者指定届を提出しなかった場合

相続人代表者指定届が送られてきたにもかかわらず、提出しなかった場合はどうなるのでしょうか。

相続人代表者指定届を提出しなかったとしても、罰則はありません。ただ、役所としては、相続人が複数いる場合は、相続人の1人に固定資産税の納付書を送付する必要があるため、役所の側で相続人の1人を代表者に指定し、納付書を送付します(地方税法9条の2第2項)。

誰が指定されるかは、役所が決めることになりますが、実際は被相続人との関係(妻か子か兄弟か、等)、法定相続分、各相続人の住所等を踏まえて判断されているようです。

4.納税管理人との関係

固定資産税を納税する義務があるものの、納税すべき市町村に住所を有しないため、納税に不便がある場合、「納税管理人」を届け出ることで、固定資産税の納付書を当該納税管理人宛に送付してもらうことができます。

5.相続登記との関係

被相続人名義の不動産を、相続人の1人が単独で相続する旨の相続登記を、相続開始の年の12月31日までに行った場合、翌年からの固定資産税の納税通知書は、相続登記によって名義を取得した相続人宛に送付されます。

これは相続人代表者指定届を提出していた場合でも同様です。つまり、相続登記が優先されることになります。

参考条文

地方税法

第九条の二 納税者又は特別徴収義務者(以下本章(第十三条を除く。)においては、第十一条第一項に規定する第二次納税義務者及び第十六条第一項第六号に規定する保証人を含むものとする。)につき相続があつた場合において、その相続人が二人以上あるときは、これらの相続人は、そのうちから被相続人の地方団体の徴収金の賦課徴収(滞納処分を除く。)及び還付に関する書類を受領する代表者を指定することができる。この場合において、その指定をした相続人は、その旨を地方団体の長に届け出なければならない。

2 地方団体の長は、前項前段の場合において、すべての相続人又はその相続分のうちに明らかでないものがあり、かつ、相当の期間内に同項後段の届出がないときは、相続人の一人を指定し、その者を同項に規定する代表者とすることができる。この場合において、その指定をした地方団体の長は、その旨を相続人に通知しなければならない。

3 前二項に定めるもののほか、第一項に規定する代表者の指定に関し必要な事項は、政令で定める。

4 被相続人の地方団体の徴収金につき、被相続人の死亡後その死亡を知らないでその者の名義でした賦課徴収又は還付に関する処分で書類の送達を要するものは、その相続人の一人にその書類が送達された場合に限り、当該被相続人の地方団体の徴収金につきすべての相続人に対してされたものとみなす。

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