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相続用語集
遺留分の放棄(いりゅうぶんのほうき)

遺留分の放棄(いりゅうぶんのほうき)

定義

遺留分の放棄とは、遺留分を有する相続人が、相続開始前(被相続人が生きている間)に、家庭裁判所の許可を得て、遺留分を放棄することをいいます。

解説

被相続人(亡くなった方)の配偶者や子などの一定の法定相続人には、民法上、最低限の遺産を相続する権利(遺留分と呼ばれています)が認められています。

ただし、この遺留分は、一定の手続きよって、あらかじめ(被相続人が生きている間に)放棄することができます。

 

具体的には、遺留分の放棄は、相続開始前に、家庭裁判所の許可を得れば、放棄することができます(民法1043条)。家庭裁判所の許可を必要としているのは、被相続人等から放棄を強要されるおそれがあるためです。

 

そのため、遺留分放棄の許可にあたって、家庭裁判所は、①本人の自由意思によるか、②放棄理由に合理性と必要性があるか、③代償(放棄と引き換えの現金など)があるか、を基準として許可の可否を決定します。

なお、遺留分の放棄は、相続開始後であれば、自由に、家庭裁判所の許可を得ることなく行うことができます。

参考条文

民法

(遺留分の放棄)

第千四十三条 相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。

2 共同相続人の一人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない。

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