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相続のよくあるご質問
遺言執行者に指定されたのですが、断ることはできますか

遺言執行者に指定されたのですが、断ることはできますか

回答

遺言執行者に指定されたとしても、遺言執行者に就任するかどうかは、自由に決めることができます。

なぜなら、遺言の執行には専門知識を要することも多いため、遺言の内容によっては遺言執行者に多大な負担となることもあり、また、遺言等によって一方的に指定を受けた場合にその就任を強制することはできないためです。

遺言執行者の指定を受けた場合、遺言執行者は、相続人に対し、その就任を承諾するか拒否するかを知らせる必要があります。

遺言執行者に指定された者が、遺言執行者に就任するのか拒否するのかはっきりしない場合、相続人その他の利害関係人は、遺言執行者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任を承諾するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができます。

そして、遺言執行者が、その期間内に相続人に対して確答をしないときは、就任を承諾したものとみなされます(民法1008条)。

解説

1.遺言執行者の選任方法

遺言執行者は、次の方法によって選任されます。

①遺言による指定

遺言による指定とは、遺言書のなかで、遺言執行者として指定されている場合です。

②遺言により委託された第三者による指定

遺言により委託された第三者による指定とは、遺言書のなかで、第三者に遺言執行者の指定が委託されている場合に、遺言の効力発生後、委託された第三者が遺言執行者を指定した場合です。

③家庭裁判所による選任

家庭裁判所による選任とは、利害関係人(相続人、遺言者の債権者、遺贈を受けた者など)の申立により、家庭裁判所が遺言執行者を選任する場合です。

家庭裁判所による選任は、遺言による指定がない場合や、指定された遺言執行者が就任を拒否した場合、遺言執行者が死亡した場合等に、申立によりなされるものです。

2.遺言執行者の就任承諾又は拒絶

遺言により、あるいは遺言により委託された第三者により遺言執行者に指定された者は、その就任を承諾することも断ることもできます。

未成年者及び破産者以外の者は、遺言執行者になることができます(民法1009条)。

しかし、遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有するため、遺言の内容によっては専門知識が必要となり、また、遺言等によって一方的に指定を受けた場合にその就任を強制することはできません。

そのため、遺言執行者に就任するかどうかは、自由に決めることができます。

遺言執行者の指定を受けた場合、遺言執行者は、相続人に対し、その就任を承諾するか拒否するか知らせることが必要です。

遺言などによって指定された遺言執行者が、就任するのか断るのかはっきりしない場合、相続人その他の利害関係人は、遺言執行者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任を承諾するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができます。

遺言執行者が、その期間内に相続人に対して確答をしないときは、就任を承諾したものとみなされます(民法1008条)。

3.家庭裁判所による遺言執行者の選任

家庭裁判所により遺言執行者の選任がされるのは、前述のとおり、遺言による指定がない場合や、指定された遺言執行者が就任を拒否した場合、遺言執行者が死亡した場合等に、利害関係人からの申立があった場合です。

家庭裁判所が選任する遺言執行者は、申立人から候補者の指定があった場合の当該候補者(候補者が適任かどうかの判断はされます)、候補者の指定がない場合は弁護士などの専門職から選任されることが通常です。

この場合でも、裁判所は候補者に対し、就任についての意思を確認します。そのため、候補者は、その時点で就任を断ることも可能です。

また、裁判所によって選任され、一旦遺言執行者に就任した後であっても、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、辞任することができます。ここでいう正当な事由とは、病気等のやむを得ない事由をいいます。

参考条文

民法

(遺言執行者の指定)

第千六条 遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。

2 遺言執行者の指定の委託を受けた者は、遅滞なく、その指定をして、これを相続人に通知しなければならない。

3 遺言執行者の指定の委託を受けた者がその委託を辞そうとするときは、遅滞なくその旨を相続人に通知しなければならない。

(遺言執行者の任務の開始)

第千七条 遺言執行者が就任を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。

(遺言執行者に対する就任の催告)

第千八条 相続人その他の利害関係人は、遺言執行者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任を承諾するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、遺言執行者が、その期間内に相続人に対して確答をしないときは、就任を承諾したものとみなす。

(遺言執行者の選任)

第千十条 遺言執行者がないとき、又はなくなったときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によって、これを選任することができる。

(遺言執行者の解任及び辞任)

第千十九条 遺言執行者がその任務を怠ったときその他正当な事由があるときは、利害関係人は、その解任を家庭裁判所に請求することができる。

2 遺言執行者は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。

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