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配偶者が死亡した場合において、姻族関係を終わらせるための手続きを教えてください

回答

姻族関係を終わらせるためには、生存配偶者の本籍地又は住所地を管轄する市区町村役場において、姻族関係終了の届出を行います。

 

この届出ができるのは、生存配偶者のみとなります。また、配偶者の死亡後、届出はいつでもすることができます。

 

なお、姻族関係が終了すると、特段の事情がある場合の扶養義務(民法877条2項)、同居の親族の互助義務(民法730条)を負わなくなります。

 

解説

1.姻族関係とは

姻族(いんぞく)とは、自身の配偶者の血族や、自身の血族の配偶者のことをいい、自身とそれらの者との関係を、姻族関係といいます。

 

例えば、自身の配偶者の両親や、配偶者の兄弟姉妹は、本来他人であったものの、配偶者との婚姻により、姻族関係となります。

 

同様に、自身の兄弟姉妹(血族)の配偶者も、自身の血族(兄弟姉妹)がその者と婚姻したことにより、姻族関係となります。

 

このように、姻族関係は、婚姻(結婚)によって生じます。

 

2.姻族関係終了の手続き

いったん生じた姻族関係は、配偶者と離婚した場合は終了しますが(民法728条1項)、配偶者が死亡したとしても、自動的に終了するわけではありません(同条2項)。

 

すなわち、夫が死亡したとしても、夫との婚姻関係は終了しますが、夫の両親や夫の兄弟との姻族関係は、当然には終了しません。

 

そこで、そのような姻族関係を終了させる方法として、姻族関係終了の届出をすることができます(民法728条2項)。

 

2-1.手続きができる方

姻族関係終了の届出をすることができるのは、死亡した方の配偶者(生存配偶者)です。配偶者の両親や兄弟姉妹から生存配偶者に対して、姻族関係を終了させる手続きはありません。

 

なお、姻族関係終了の届出にあたって、死亡した配偶者の両親や兄弟姉妹といった姻族の承諾を得る必要はありません。

 

2-2.届出場所

姻族関係終了の届出は、生存配偶者(届出人)の本籍地又は住所地を管轄する市区町村役場で行います。郵送によることも可能です。

 

2-3.必要書類

姻族関係終了の届出に必要な書類は、一般的には次のとおりです。

 

・姻族関係終了届出書(役所に備え付けてあります)

・戸籍謄本

・認印

・身分証

 

2-4.期限

姻族関係終了の届出は、配偶者の死亡後、いつでもすることができます。つまり、期限はありません。

 

3.姻族関係終了の効果、注意点

姻族関係終了の届出を提出し、姻族関係が終了した場合、次のような効果が生じます。

 

3-1.扶養義務や互助義務がなくなる

姻族関係が終了すると、特段の事情がある場合の扶養義務(民法877条2項)、同居の親族の互助義務(民法730条)を負わなくなります。

 

ただし、そもそも姻族が前記扶養義務や互助義務を負う場面は限定的です。したがって、多くのケースにおいては、これらの義務を免れるというよりも、死亡配偶者の両親や兄弟姉妹との関係を心理的に絶ちたいという意味合いが強いといえるでしょう。

 

なお、姻族関係終了届を提出し、生存配偶者と死亡配偶者の両親や兄弟姉妹との姻族関係が終了した場合でも、死亡配偶者との間に子がいる場合は、その子と死亡配偶者の両親や兄弟姉妹との関係は終了しません。なぜなら、子と死亡配偶者の両親は姻族関係ではなく、血族関係にあるためです。

 

3-2.注意点

姻族関係終了届をした場合、戸籍に姻族関係終了の旨が記載されます。したがって、死亡配偶者の両親等が戸籍を取得した場合、姻族関係終了届がなされたことが判明します。

 

また、姻族関係終了届では、氏や戸籍の変動はありません。婚姻前の氏に戻したい場合は、別途、復氏届が必要になります。

 

その場合、姻族関係終了届と復氏届を出す順番によって、新しい戸籍に姻族関係終了の旨が記載されるか否かが変わってきます。

 

①姻族関係終了届⇒②復氏届の順の場合、新戸籍に姻族関係終了の旨が記載されません。逆に、①復氏届⇒②姻族関係終了届の順の場合、新戸籍に姻族関係終了の旨が記載されます。

 

 

参考条文

民法

(離婚等による姻族関係の終了)

第七百二十八条 姻族関係は、離婚によって終了する。

2 夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする。

 

(扶養義務者)

第八百七十七条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。

2 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。

3 前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。

 

(親族間の扶け合い)

第七百三十条 直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならない。

 

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